写真の魅力は、世界の断片と瞬間を自分だけの視点で切り取れること。
藤原沖先生:写真にしかない魅力と感じているのは、「世界の断片と瞬間を自分だけの視点で切り取ることができること」ですね。
また、「Photograph」という英語は、直訳すると「光の描くもの」というような意味で、日本の写真史をさかのぼると「光画」という言葉が使われていた時期もあるようです。
この、「光で画を描く」という感覚の方が自由な感じがして、最近の自分にはフィットしています。もちろん、「見たままに真実を写す」のも写真の魅力の一つだと思います。
事務局:確かに。どちらも写真の魅力ですね。
photo by 藤原 沖
藤原沖先生:一昨年、電子書籍で写真集を出版する機会があったのですが、電子書籍のようなデジタルメディアのほか、Instagramに代表されるSNSとも写真の親和性は高いと思います。
誰でも気軽に楽しめて、一方でアート性も持っているというのが、最近の写真の大きな魅力なのかもしれません。
事務局:ありがとうございます。質問内容をがらりと変えて…最近、写真以外にハマっていることはありますか?もしくは、写真以外の趣味を教えてください!
多趣味であることで、自信の感性を磨く。
藤原沖先生:もともと趣味は多い方なんですが、高校時代はバンド活動に明け暮れていました。
ピアノを幼少期から習っていたので、音感はそこそこ有ったんだと思います。
ライブは20歳の誕生日を最後に遠ざかっていますが、ギターとベースを一時期は15本以上所有していました。さすがに部屋が狭くなってしまったので(苦笑)、多くを手放してしまいましたが・・・
事務局:15本!?ちょっと想像できないですね…楽器屋さんのよう(笑)好きなジャンルはなんでしたか?
藤原沖先生:音楽はロックからジャズ、クラシックまでジャンルにこだわりなく好きなものを聴き漁ってきました。そうこうするうちに、CDも一時期3千枚くらい有りましたが、増えすぎて2/3くらいは売ってしまいました・・・。
あと、アウトドアも好きで、カヌーを持っているのですが、釧路川を泊まりで下ったのを最後に、もうかなり長い間やっていません。カヌーは最高に気持ちいいので、もう少し暇になったらまたやりたいんですけどね。
事務局:多趣味すぎる…。その趣味が写真に活かされていると感じることはありますか?
藤原沖先生:音楽はライブステージやミュージシャンを撮ったりすることがあるのが、つながりだと思っています。楽器をやっていたので、演奏する側の気持ちが少しわかるのかなと思うことがあります。
CDジャケットに使われたり、メジャーなアーティストを大きな会場で撮った時には大きな達成感もありました。
事務局:確かに、自分が演奏者だったら「こんなシーンを残してほしいのだろうな」「ここが感動的に盛り上がるのだろうな」という想像ができますよね。一方、カヌーはいかがでしょう?
藤原沖先生:カヌーは大自然を感じ取ることができて、日本の自然の美しさ・素晴らしさに改めて気付くことが多くありました。今はじっくり風景写真を撮る時間がないのですが、数々の日本の風景を残した画家 小野竹喬が大好きで、「いつか竹喬の絵画のような世界観を写真で残してみたい」と心の中で思っています。
事務局:好きな写真/写真家 or 影響された写真/写真家はどなたですか?
藤原沖先生:好きな写真家は挙げるとキリがないのですが、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ロベール・ドアノー、植田正治の3人には特別な想いがあります。
植田正治に関しては、数年前に鳥取の生家を訪問する機会があり、ますます好きになりました。
人物写真だと、リチャード・アヴェドン、ジャンルー・シーフ、ロバート・メイプルソープ、そしてダイアン・アーバス。
年々興味が増しているのが、ウジェーヌ・アジェとアウグスト・ザンダー。特に100年以上前のパリで撮られたアジェの作品に魅了されています。
これまで挙げた写真家は全員故人ですが、現代の写真家だと、アンドレアス・グルスキー、 トーマス・ルフ、 ヴォルフガング・ティルマンスが好きです。もともとベッヒャー夫妻の作品が好きなこともあり、ベッヒャー派と言われるドイツの写真家に興味を持つことが多いです。
事務局:さ、さすが沖先生…。写真家もすらすら出てくる…!さて、最後になりますが、藤原先生がPP写真教室の講師となったキッカケや、どんな思いで講師をやるようになったのかお聞きしたいです!
写真の素晴らしさを「楽しく」「わかりやすく」伝えたい。
藤原沖先生:講師になる前の話になりますが、ハイパークラスに在籍していた当時、フォトマスター検定の最高グレード「EX」を取得して、検定の講座をやらせて頂いたのが講師活動のきっかけです。
「思い」としては、写真の素晴らしさを「楽しく」「わかりやすく」伝えられたらと、いつも考えながら講義をしています。
事務局:藤原先生だけではないですが、入校当時はまだカメラをお持ちでなかった方から、少し経験のある方まで様々な生徒さんがいらっしゃいますよね。PHaT PHOTO写真教室に入るとこんなことが楽しいよ!のポイントを最後にお願いします!
藤原沖先生:PP写真教室の良さは、技術に偏らずに感性を高めながら、バランスよく写真を上達できること。1年も経てば、驚くほど表現力が豊かになる生徒さんをたくさん見てきました。
そして、写真が大好きな生徒さんたちの温かいコミュニティがあることです。
photo by 藤原 沖
本日ご紹介した講師は、藤原沖先生でした。
PHaT PHOTO写真教室では、1月4月7月10月に新しく写真を学ぶ仲間を募集しております。授業見学付きの相談会も開催していますので、雰囲気を気軽に感じ取りにきてくださいね。