3月に開催した料理&フォト「見違える料理写真の秘密」が大好評だった荒井康成さん。
5月20日の撮影会を前に料理のこと道具のこと写真のこと、たくさん質問しました。
Q1 料理道具コンサルタントになったきかっけを教えてください。
70年代の幼少期に母親によく連れて行かれた、銀座ソニープラザ(現プラザ)での輸入雑貨との出会いが大きく、高校時代には同店でバイトもするようになり、後にひとり暮らしをするようになってからは、日本にない、そのポップなキッチン雑貨を集めるようになっていました。以後、その影響からお店を開きたいという思いで、北原照久さんの横浜ブリキのおもちゃ博物館の門を叩き、その後、フランス外資の料理道具メーカーの立ち上げから11年間勤めました。
なんでも鑑定団の北原照久さんですね。
その後、ひとり暮らしを始めた当時から料理会たるものを開催し、食生活や自分の可能性、そして人の輪を広げてくれたのが、「料理道具」であると感じました。当時、世間一般では世界中の料理レシピ本が増えて行き、並行して増え続ける世界中から輸入された料理道具等は正しい背景や使い方等を記した書物が少なかったり、本来はその国ではなくてはならない必需品の料理道具であるべきものが、日本の市場では流行、トレンドに左右されていました。そのような状況に「輸入して売れなければ消えていく…」という危機感を覚えました。私は料理道具業界に在籍していたので もっと「料理道具」ひとつひとつの素晴らしを伝えるべき、その思いからフリーとなりました。
そして出版したのが 「ずっと使いたい世界の料理道具」ですね。
はい。その本を出版できたのを機に「料理道具コンサルタント」という道へ歩み始めたました。
Q2 現在の主な活動内容を教えてください。
先の「ずっと使いたい世界の料理道具」という書籍出版を基に、もっと「料理道具」の良さを色んな人に知ってもらいたい、そう考え、通常「料理道具」を扱う専門店だけではなく、書店での物販+書籍フェアを企画したり、食のデザインスクール「レコールバンタン」での講師活動、食情報雑誌での料理道具に関するページの企画、監修からコラム執筆、さらに料理道具メーカー主催における講師活動、商品開発における監修も行なっています。
また、住まいが台東区という「モノづくりのまち」でもあることから、ショップ、クリエイターの方々と下町でのイベント等の運営もしています。
Q3 ご自身では料理は毎日されるのですか?
はい。妻と交代交代で、どちらかができない時はどちらかがやるようにしています。
基本ウチは家族揃っての食事を心がけており、外食は記念日のみなので、通常は家庭で作る料理を大切にしています。
Q4 得意な料理を教えてください。
大半が和食ですが、世界の料理道具に出会ってからは、その料理を習得しようと練習していくことで、様々な国の料理を作れるようになりました。
Q5 本を出版される際、すべて写真をご自身で撮影されたそうですね。
大変だったのではないでしょうか?
きつかった(笑)
企画の段階で編集者からの提案で、全て著者目線で撮ったほうがきっと良いできになると言われ、全て自分で撮影しました。元々カメラは好きでしたが、想像以上でしたね。料理道具の良さを引き出す写真というのは、カタログや広告的になってはいけない、と考えていたので、その料理道具の良さ、即ち僕の中ではその料理道具の「良い顔」を探すのに苦労しました。
次の本を出す際もご自身で撮影しますか?(笑)
苦労した分、更に料理道具やカメラ、そしてできあがった写真に対しての想いや考えが変わったので、次も絶対に自分で撮りたいと思っています。
素晴らしいですね!
Q6 荒井さんにとって理想の料理道具とは?
理想の料理道具とは、ずっとその家で仕える道具で、その家の「家庭の味」が染み込んでいき、
それが次の世代へ受け継がれるものになってくれたら嬉しいです。
Q7 最後になりましたが将来の目標と聞かせてください。
日本は恵まれていることに、世界中の料理、食材、そして「料理道具」が手に入ります。しかしながらまだまだその「良さ」や「文化」などを伝えるには乏しいと思っているので 「料理道具」によって国境なき世界が表現できる、世界の料理道具の博物館ができれば、と思っています。
ありがとうございました!
荒井さんには5月20日の「見違える料理写真の秘密 Vol.2 -ホームパーティー編-」
に続いて6月にも料理×フォトの撮影会をご担当頂く予定です!
みなさまお楽しみにお待ちくださいね!